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月の表面、8万1000年ごとに「模様替え」 研究

 月は、非常に多数の隕石(いんせき)の衝突を受けるため、その表面が8万1000年ごとに完全に「模様替え」されているとする、米航空宇宙局(NASA)の観測データに基づく研究論文が12日、発表された。

 衝突による表面の変化──主に緩く堆積している月の塵(ちり)の表層2センチへの影響──は、これまで考えられていたより100倍も高い頻度で発生していると、研究チームは報告している。

 研究チームの推算によると、地球の唯一の天然衛星である月に衝突している小惑星や彗星(すいせい)は、直径10メートル以上の新しいクレーターを毎年平均で180個形成しているという。

(...)

 地球にも、小惑星や隕石が常に向かってきてはいるが、分厚い大気の層があるために事なきを得ている。100トン以上に及ぶ塵や砂粒大の粒子も毎日、地球に降り注いでいる。

AFPBB News
 月の表面の姿は、ほぼ変化しない―――

 これが従来までの常識でした。

 月面の特徴には以下のような点が挙げられます。

・月には、大気がないため、月の表面に風が吹くことはない。
・月は、地球の強い引力に捕らえられているため、自転をしていない。
・地球でみられるような大陸移動(plate tectonics)はない。

 そのため、月面では、侵食という過程がほとんど進まないのです。その結果、月の形成過程でできた太古のクレーターはそのまま残り続け、現在にまで至っています。

 しかし、今回、発表された研究成果では、それまでの予想をはるかに上回って、月表面の形状が変化しているかとが明らかになりました。

 それは、小惑星や隕石の月面への衝突が、予想以上に多く起きているためです。年間で、直径10メートル以上のクレーターが180ほど形成されるというのは驚くべき数字です。

 この頻度で、新たなクレーターの形成が進めば、8万1000年後には、表面の姿が現在のものから全く変わってしまうと予測されています。

 この研究結果は、NASAの研究者たちに大きな衝撃を持って迎えられました。
 もちろん、その最大の理由は、8万年後には、ウサギが餅をついている姿が見られなくなる、といったことではありません。

 月面開発がこれで、非常に困難なものであることがより明確になったからです。

 1961年から1972年にかけて行われたアポロ計画以降、それに匹敵する大規模な月面探査、月面開発の計画は、どの国においても行われていません。

 もし、月面への隕石や小惑星の衝突が稀なものではなく、頻繁に起こるとすれば、その衝突に耐えられるだけの宇宙船やコロニーの開発が必要になります。それが極めて技術的に困難であることはいうまでもありません。

 月面探査は、まだしばらく先のことになりそうです。

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